キュウの徒然なるままに

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【感想】村上春樹『女のいない男たち』

こんにちは、キュウです。

大阪が震源地の地震から二日。

私はこんなに強い揺れを感じたのははじめてでした、怖かったです。

まだ余震に怯えています。

何が起こるか一秒先もわからない、一秒一秒悔いなく過ごしたいものです。

皆様も、どうぞお気をつけください。

 

さて最近、村上春樹『女のいない男たち』を再読しました。

 

女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)

女のいない男たち (文春文庫 む 5-14)

 

 

単行本が出た当時購入し、すぐに読みました。

その時は、そんなに心に残りませんでした。

むしろ短編「木野」以外は、いつもの春樹作品のような非現実感がなくて物足りないな、と感じました。

そして読み返すことなく本棚で眠っていました。

ですので、4年ぶりの再読ということになります。

 

 

不思議なことに、今読んでみると心にスッと入ってくるのです。

6つの女のいない男たちの物語。

どの物語も、一番大切な物(女)が失われてしまった、あるいは失いつつある男の喪失感、孤独感がヒシヒシと伝わってきます。

悲しい気持ちになります。

ですが、癒しの物語でもあると感じます。

女を通して男たちは、私たちの心は、癒されていきます。

 

6つの物語で、特に私が心惹かれたのは、

「独立器官」

「木野」

「女のいない男たち」の3つです。

 

愛する人を永遠に失ってしまったとき、人はどのようにその傷を受け入れ、自分を慰め、克服していくのか。

あるいは耐えられなくて死んでしまうこともある、自分の心に嘘をつき自ら傷ついてしまうこともあるでしょう。

結末は悲しいけれども、決して絶望だけではなくささやかな光も射し込んでくる。

この『女のいない男たち』は、そんな物語が詰まっていると思います。

私は女ですが、女だと共感できないだろうと、そんなことは決してありません。

 

最後に、「女のいない男たち」では、エレベーター音楽なる楽曲がいくつか出てきます。

エレベーター音楽とは、「よくエレベーターの中で流れてくるような無害な音楽」、だそうです。

どのアーティストも聞いたことがない私は、試しにパーシー・フェイス「夏の日の恋」、フランシス・レイ白い恋人たち」を聞いてみました。

なんて軽やかで落ち着く美しい旋律でしょうか、とても癒されました。

天国で流れていてもおかしくないな、と思いました。

村上春樹は、音楽と物語を自然に繋げることが本当にうまいなあ、と感心します。

 

まだ、お読みになっていない方は是非手に取っていただきたいです。

それぞれの物語の男たちとともに、女の中で自分の心をさらけ出し、癒されてください。